集合写真「森に学ぼう」プロジェクト in 東京はちおうじ2025114

コカ・コーラ「森に学ぼう」プロジェクト in 東京はちおうじを開催


多摩工場周辺流域の健全化と生物多様性の保全に向け、社員による里山保全作業を実施


2025-12-05

2025年11月14日、コカ・コーラシステムと八王子市は、東京都八王子市上川町の「上川の里特別緑地保全地区」にて、環境保全プログラム「コカ・コーラ『森に学ぼう』プロジェクト in 東京はちおうじ」を開催しました。昨年に続き八王子市で2回目の開催となる今回は、日本コカ・コーラ株式会社およびコカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社の社員約50名が参加。NPO法人 森のライフスタイル研究所の協力のもと、竹の間伐や笹・下草の刈り払いなど、流域の健全性向上と生物多様性の保全につながる里山保全作業に取り組みました。

 

開会式では、まずコカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社コミュニケーション戦略統括部 統括部長の金澤めぐみが「コカ・コーラ『森に学ぼう』は水資源保全活動の一環として、森や生き物に触れながら水や自然の大切さを実感し、環境保全の意義を理解いただくことを目的に、2006年から各工場の水源域で続けています。私たちのビジネスにとって水はかけがえのない資源。社員が揃ってこうした活動に参加できることは非常に意義深いと感じています」と挨拶しました。

 

続いて、東京都八王子市長の初宿和夫様からは、「かつて鬱蒼としていた森が、皆さまの保全活動によって明るくなりました。水を育む力も増してきているように感じます。水源涵養だけでなく、生物多様性や豪雨災害への備えにもつながる大切なプロジェクトです。企業・行政・NPOが連携して里山を守ることは、市民にとっても誇りです」と、期待を寄せていただきました。

 

最後に、日本コカ・コーラ株式会社 広報・渉外&サステナビリティ推進本部 副社長の田中美代子が、「製造で使った水は適切な処理で自然に戻せますが、製品の中身に使った水は戻せません。だからこそ森林保全などを通じて、降った雨をできるだけ大地に浸透させ地下水として蓄える『水源涵養』に取り組んでいます。森が元気になれば、雨は土壌に染み込み、やがて地下水となって自然に恩返しができるのです」と本プロジェクトの意義を語りました。 

開会式 「森に学ぼう」プロジェクト in 東京はちおうじ2025114

本プロジェクトは、2023年に八王子市と締結した「上川の里保全活動協定」に基づく取り組みです。上川の里では、長く人の手が入っていなかったことにより、林内への雨水浸透の低下、湿地への土砂流出、倒木の増加などが課題となっていました。昨年(2024年)は荒天のため屋外作業が中止となり、座学と木工体験を中心に学びを深めましたが、今年はその学びを土台に現地での保全作業を着実に前進させました。木々が密生し過ぎた里山は林冠が“雨傘”のように機能し、雨水が土壌に浸透しにくく、下層植生が衰退して土壌保持機能も低下します。間伐や林床整備を進めることで陽射しが差し込む明るい森となり、幹や根の発達、下層植生の回復が促され、生物多様性にもつながります。 

 

当日は、NPO法人 森のライフスタイル研究所 竹垣英信所長による作業説明ののち、上川の里北沢谷戸広場から上川口小学校裏手の未着手エリアまで移動して、笹刈りと竹の間伐を手分けして実施。間伐前後のエリアを比較しながら、雨水の浸透促進や土砂流出抑制、散策環境の安全性向上といった効果への理解を深めました。午後の座学では、八王子市の米本様から、上川の里の歴史や課題、保全と活用の将来像を解説。木工体験では、里山資源の活用と保全の両立を体感する時間となりました。

笹刈り 「森に学ぼう」プロジェクト in 東京はちおうじ2025114

上川の里は、2008年に最終処分場計画が浮上したものの、市民の反対運動を経て2011年に特別緑地保全地区に指定された経緯を持つ、地域にとって重要な里山です。指定後は、企業・NPO・地域有志が協定を重ね、継続的な保全活動を推進してきました。コカ・コーラシステムでは、専門家による本格的な森林整備を委託しつつ、社員が現場を体験する「森に学ぼう」を通じて理解を広げ、地域とともに水循環の健全化に取り組んでいます。

 

日本のコカ・コーラシステムは、地域の特性に応じて湿地復元、水田湛水、草原保全、森林保全など多様な手法を組み合わせ、工場周辺流域における水資源保全を進めています。
今後は、八王子市と協議のうえ、必要に応じて保全エリアの拡充を検討し、長期的な水源涵養機能の向上に取り組む予定です。今回は社員中心の体験でしたが、次回以降は地域のみなさまにもご参加いただき、保全と活用の輪をさらに大きくしていく計画です。多様な主体が継続的に関わることで、上川の里を「保全と活用のシンボル」として育て、流域全体の健全性向上と生物多様性の保全を目指していきます。